香川県坂出市・宇多津町・綾川町を中心に活動している青年会議所です。[理事長所信]

坂出青年会議所理事長所信

理事長所信

理事長所信

第67代理事長
瀬戸 裕介
坂出青年会議所理事長写真

01はじめに

理事長所信

2020 年の新型コロナウイルスのまん延は、今までの社会を一瞬にして「当たり前」でなくさせました。 ひととひとが会って話をすること、地域の催し物にひとが集まって盛り上がることなどの多くの集まりが制限され、人間関係が希薄化していきました。
その代わり、Web 会議システムや動画配信サービスの爆発的な普及により、距離と時間を越えた新たな人間関係が構築されることになりました。
それらのサービスによって、物理的な距離が離れているどんなひとでも、他人の顔を見て、他人の声を聞いて話をすることは可能になりましたが、そのひとのにおい・肌ざわり・空気感は完全に伝えられるものではありません。

また、物理的な移動を誰かとともにする間に行う何気ない世間話や窓の外に見える景色についての会話など、一見不要に思えることからふとしたひらめきが生まれたりアイデアを思いついたりすることもあります。
もちろん、Web サービスのもつ利点を否定することはありませんが、五感を感じることのできる人間同士のコミュニケーションには、直接面と向かって会話を行うことが必要不可欠だと考えます。
そして、ひとが磨かれる瞬間は、自分以外のひとと接するときに最も訪れると考えます。自分の考えについて話すことで、自分以外のひとに理解をしてもらうための方法を考えたり、自分の中での考えがさらにまとまるきっかけとなったりします。
また、自分以外のひとの考えを聞くことで、今までの自分のなかになかった考えについて触れることができたり、そのひとの人間性をさらに理解することができたりします。もちろん、自分磨きという言葉があるように、自分自身の努力によって磨くことはできますが、自分一人よりも自分以外のひとと関わりながらの方が、多くの成長につながります。
一人よりも二人、二人よりも三人と、自分の輪を広げることでよりよい成長の機会が訪れます。
そして、そのときに最も大事にすべきことはその相手が何を考えていて、自分が起こそうとしている行動や言動によってどのような感情を抱くかを想像しておくことにあります。
相手のことを考え、相手の立場を考え、ひととして持つべきあたたかな心を育む必要があります。

さて、昨今のコロナ禍による活動の制限などにより、坂出青年会議所も例外ではなくメンバーのモチベーション低下や継承すべき青年会議所の理念が浸透しづらくなるといった危機的状況にあります。
青年会議所の使命は「青年が社会により良い変化をもたらすための発展と成長の機会を提供する」ことにあり、私たちが住み暮らす社会の課題を解決することを通して、ひととしての成長をしていかなくてはなりません。
そこで、既に存在している多くの社会の課題のうち、どこに着目して、どのような手法で解決し、どのような状態を達成することが理想なのかを設定するにあたり、与えられたものではなく自ら発見したものを根拠にする方が自身の意欲的な行動につながることは明白です。
自ら考え、行動の指針を自発的に決定していくことこそが、ひととしての成長の機会につながると考えています。

また、昨年の坂出青年会議所創立65周年に際し、香川ブロック協議会内外の多くの青年会議所メンバーとシニアクラブメンバーをはじめ、坂出市・宇多津町・綾川町をはじめとした行政並びに多くの関係諸団体の皆様のご協力をいただき、記念式典を盛大に開催することができました。
本年は昨年いただいたご恩に感謝をお伝えしてまいりますので、私たちの活動に対しても変わりなく、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
そして、1993 年、瀬戸大橋を隔てた児島青年会議所と友好 LOM 締結を行ってから、本年で 30 周年を迎えます。
一年に一度、互いの地域を行き来しながら交流を深めてきましたが、30 年という節目の本年は、これまでの歴史を振り返り、これまで培ってきた互いの友情をさらに強固なものとできるような合同例会を開催します。

02まちづくりと
ひとづくりの両立

理事長所信

さて、本年は大きく三つのことを柱として運動を進めてまいります。
一つ目は、行政と地域住民の連携向上に関することです。ここ数年の間で、坂出青年会議所を取り巻く一部の地方自治体では首長選挙が行われ、それに伴った公開討論会等の実施により、地域住民の政治参画意識の醸成に努めてきました。
「あなたの 大切な一票を 市政に」これは、2021年の坂出市長選挙公報に掲載された一文ですが、これからの時代の担い手である10代から20代の投票率は37%程度であり、30代から40代でも 50%前後となっていて、全年齢平均の 56%からみるといわゆる「若者の政治離れ」が顕著に表れています。

この背景にはいったい何があるのでしょうか。 少子高齢化とともに進む核家族化、夫婦共働きなどによる家庭内コミュニケーションの減少、自治会などの地域コミュニティの衰退など様々な原因が考えられますが、地域住民に対してまずは政治や行政について知る機会を作り関心を持つための土壌を整え、行政と地域住民がまちづくりについてともに考えることのできる場を実現します。
自分たちの住み暮らす地域について考え、課題やその解決策についてともに取り扱う時間を共有することで、これからの時代を担う地域住民にこそ主権者意識の醸成を図ってまいります。

03次代を担う
地域の宝のために

理事長所信

二つ目は、青少年育成事業です。私たちがどんなに懸命に生きようと、20年後の社会では私たちはもう中心人物ではないかもしれません。
その時に主役となっているのは、今をきる子どもたちです。
子どもたちの心身がともに健全に育成されるためには、多くの種類の経験や刺激を受け、子どもたち自身が考え、生まれ育った故郷への愛着をもち、他人を思いやる心をもって行動していく機会を多く作ることが必要不可欠だと考えています。
親元を離れての集団生活や日常生活ではなかなか体験することのできないカリキュラムを通して、これからの時代を担っていく子どもたちの自由な発想や新たなひらめきを引き出し、地域の宝である子どもたちの健全な育成に寄与します。

現代社会では地域コミュニティの希薄化から、学校における教育の期待度が高まっていますが、学校教育にも限界があります。そこで、私たち自身も子育て世代であり、多くの業種を営む私たち青年会議所メンバーが連携してこそできる、郷土への思いやりや自分以外のひとへの思いやりを育める新たな体験を通した青少年育成事業を行います。

04地域の
リーダーとなるために

理事長所信

三つ目は、青年会議所メンバー自身の成長についてです。2017 年、坂出青年会議所創立60周年の際に策定した未来ビジョンには、「青年会議所のひとを育てる土壌を守りながら、誰かのためが地域のためへとつながる運動を行い、坂出青年会議所だからできる新たな事業を追求する」とあります。

青年会議所はその名の通り、地域を明るい豊かな社会にするために、地域の課題を抽出し課題を解決した姿を目標に定め、目標を達成するための手法を考え、実施し、検証を行ってさらによりよくするためにはどうすればよかったのか、という会議を日々行っています。
資金調達、関係各所との調整、運営までほとんどすべての工程を経験することを通して、一つの事業を立案して遂行するまでのプロセスを学ぶことができます。
その中で最も重要視されることは何をやるかではなく、何のためにやるかです。
地域の課題を解決した姿をしっかりと目標に設定し、事業立案段階から実施に至るまでその達成を常に意識しておくことで、筋の通った事業を行うことができます。
また、事業構築のプロセスが進むにつれて、やるべき方向を見失いそうになったとしても、何のために行っているのかに立ち戻れば、正しい方向にいつでも軌道修正することができます。 私は、青年会議所のよさはここに表れていると考えています。

また、奉仕・修練・友情という三信条が青年会議所には存在します。地域への奉仕を通して、自己修練を重ね、世界との友情を育むことがその主たる意味ですが、まずは修練についての見解を述べさせていただきますと、青年会議所活動には、多くの時間と努力を必要としますが、不思議なことに、一生懸命かけた時間や労力の分だけ自分の成長の糧として返ってきます。
誰かが本気で取り組むことに対しては、誰しも本気で対応したくなりますし、全力に対して全力で対応できる土壌が青年会議所にはあります。
自分の力を信じ、自分の仲間を信じ、臆することなく、全力で向き合いましょう。

また、友情については世界の恒久的平和を最終目標に掲げたものではありますが、まずは無報酬の信頼関係を築くことから始まっています。自分以外のひとに全幅の信頼をおくには勇気が必要ですが、信頼をおいてくれる相手にはそれと同じだけの信頼を返すように考えるのがひととしての当然の感情であり、行動であると考えています。
それゆえ、まずは自分が相手のことを想い、考えて信頼することが大きな一歩を踏み出すことにつながります。

05坂出市民大学について

理事長所信

坂出市民大学は、地域の人々の文化意識の高揚を図り、文化の香り高い「まちづくり」創生のための助力となることを目指して開催する、今年で第 40 回を数える坂出青年会議所の継続事業です。
毎年、坂出市民大学実行委員長を坂出青年会議所から輩出して、坂出市の関係諸団体で組織する実行委員会で企画・実施されていますが、新型コロナウイルスのまん延以降、一つの会場に集めることのできる人数が制限される中でもテレビ中継やインターネット中継を活用するなど、工夫して開催をしてきました。

さて、時代の先端にあるような新たな文化は時として異端に見えることもありますが、それが未来にはスタンダードとなることもあり、マイノリティや奇抜さを理由に多様性を受け入れかねることは持続可能な社会とは呼べないと考えています。
地域の人々が、ひとつ先の未来の文化や知見を先んじて享受することのできる機会として、例年の開催方法や時期にとらわれることなく柔軟な発想をもって構築し今年も開催します。

06会員拡大について

理事長所信

新型コロナウイルスのまん延は、もちろん私たちも例外ではありませんが地域の多くの企業の活動に大きな影響を及ぼしました。
「こんなときに社業から離れて何を考えているのか」「社会貢献よりも社業に目を向けるべきだ」など、コロナ特需と呼ばれる一部の業種などを除けば周囲からの批判や重圧がのしかかっていることも多くあるのが現状です。
ここで一度考えなければならないのは、会員拡大はなぜ行う必要があるのか、そして、なんのために行うのかについてです。
青年会議所活動の使命は、青年に発展と成長の機会を生み出すことにありますが、まずは私たちの住み暮らす地域によりよい変化をもたらさなければ、そこで商いをさせていただいている私たちの社業が潤うことはありえません。そして、地域によりよい変化をもたらすには、大きなインパクトをもたらすことのできるような未知の経験を積んだひとを一人でも多く生み出し、それらのひととひととのネットワークを能動的に活用できるようにすることが必要不可欠です。
それゆえ、私たちの青年会議所活動の使命たる「機会の提供」を一人でも多くの青年へ届けるために、会員拡大を行う必要があります。

また、大きなインパクトをもたらすには大きなエネルギーが必要になります。20人よりも30人、40人と携わる人数が増えれば増えるほど、一人ひとりのもつエネルギーが積み重なって大きなエネルギーとなります。
そのためにも、既存の企業への新たな窓口だけでなく、新型コロナウイルスのまん延によって生まれた新産業も視野に入れて、社業が苦しい時代だからこそ、まちづくりをしながらひとづくりを行う青年会議所に携わるひとを一人でも多く生み出さなくてはいけません。

07結びに

理事長所信

ひとは苦しいとき、自分の殻にこもりたくなるのが常だと考えます。
しかしながら、その苦しさを共有したときに受け入れることができるのがひととひとの自然な感情だと考えます。
今までの当たり前が崩れても、ひとがひととして当たり前に持つ感情は変わらないと信じています。ひとのことを思いやり、地域のことを思いやり、まちづくりをしながらひとづくりを行う青年会議所らしさへの原点回帰こそが、私たちが打ち立てるべき坂出青年会所の新しい当たり前だと信じ、ともに成長していきましょう。

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