
- 第69代理事長
- 羽原 龍正

01はじめに

1949年、戦後まもなく志高き青年たちが立ち上がり、この日本に青年会議所は誕生しました。それから8年の月日が流れ、ここ坂出の地でも若き青年たちの熱意が高まり1957年2月17日に、坂出青年会議所は誕生しました。そして、今日まで先輩諸氏がJayceeとして長い年月をかけ、築き上げ紡いでこられた自己の成長、まちの発展に寄与するという情熱の灯火は時代が移り変わっても決して消えることなく、私たちの胸に燃え続けています。
「明るい豊かな社会の実現」これは、私たちの基本理念であり、目指すべき社会像は、人々が笑顔に溢れ、互いに支え合い、ともに成長する社会です。この理念を実現するために、私たち坂出青年会議所は地域に寄り添い、地域の発展とともに歩んできました。
時代が変わり、社会が直面する課題も変化する中で、私たちはその時々のニーズに応じた活動を展開し、地域社会に貢献してまいりました。先輩諸氏が紡いでこられた功績に誇りを持ちつつ、私たちが坂出青年会議所メンバーとしての矜持を持ち、次の時代を切り拓いていかなければなりません。
02矜持~責任と覚悟~

青年会議所の矜持とは、常に自己を成長させ、地域や社会の課題に取り組み、変革をもたらすリーダーとしての責任感や覚悟を持つことです。坂出青年会議所は地域社会のリーダーとしての役割をこれまで果たしてきました。
これは、私たちが背負うべき責任であり、地域の発展に貢献するという使命です。そして、責任を果たすには困難に立ち向かう覚悟が必要です。
今年度は、私たちが直面する課題に対して、逃げることなく立ち向かい、Jayceeとしての信念を持って行動していきます。社会や環境の変化が激しい現代において、確かな覚悟を持ち、自分たちの目標を見失うことなく進んでいくことが求められます。
03今も昔も変わらない
利他の精神

坂出青年会議所は、設立以来、時代や社会がどれほど変化しようとも、人々の幸せと地域社会の発展のために奉仕する「利他の精神」を大切にしてきました。私自身も入会以来、先輩方とともに多くの経験をさせていただきました。その中で目の当たりにしたのは、地域を豊かにするために、時間やお金、そして労力を惜しまずに尽力する姿でした。
当時の私は、なぜそこまでできるのか理解ができませんでしたが、今振り返ってみると、先輩方の気持ちがようやく理解できるようになりました。
青年会議所の活動以外にも自分の社業、家庭があり時には大変なこともある中で、それでも自分が暮らすこのまちを「明るく、豊かな社会にしたい」という思いが、私たちを突き動かしていたのです。そして、その思いこそが、人を動かし、まちを変える原動力になっていると強く感じています。
現代においては、技術の進歩や価値観の多様化により、私たちを取り巻く環境は急速に変化しています。しかし、こうした変化の中でも、私たちが持つべき基本的な心構えは変わることがありません。それは他者への思いやり、そして地域のために尽くす姿勢です。この「利他の精神」を持つことで、持続可能で調和の取れた社会を築いていくことができるのです。
04未来を創る仲間の
拡大と自己成長

私たちは、「明るい豊かな社会の実現」の基本理念のもと、さまざまな運動を展開してきました。その推進力となってきたのは「人」です。一人では成し遂げられないことも、多くの仲間と切磋琢磨することで成長し、地域社会にも大きなインパクトを与えることができます。しかし、近年、全国的に会員数の減少が課題となっており、私たち坂出青年会議所も例外ではありません。
本年度はメンバー数が20名という少数でのスタートとなりますが、この状況を乗り越え、私たちの運動をより多くの方に広めていくことが求められています。また、メンバー全員で会員拡大を行い、ただ入会してもらうだけではなく、メンバー一人ひとりの成長が組織の力となるため、入会後のサポートを皆で行い、全員が成長できる環境を整えることが必要です。
まずは、青年会議所がどのような組織であるかを理解していだだき、身近に活躍しているメンバーの経験を学び、積極的に事業に参加することで、自らのJC生活をどのようにデザインすべきかのヒントを得ることができます。そうした歴の長いメンバーの姿を見て「自分も成長したい」と感じ、行動に移すことが大切だと考えます。
私たちは、坂出青年会議所の先輩諸氏が築いてきた伝統や運動の意義を次の世代に伝えていく責務があります。そうすることで、共感するメンバーが増え、責任感や使命感が生まれ、組織としての成長を内側から強固にし、さらに大きな発展へとつながると確信しています。
私たちの活動を知り、理解し、共感し、「あなたと一緒に活動したい」という仲間を集めましょう。
05四国地区大会
坂出大会に向けて

本年、坂出青年会議所は公益社団法人日本青年会議所 四国地区協議会 四国地区大会 坂出大会を20年ぶりに主管させていただく運びとなりました。
地区大会を主管させていただくにあたり、地域の活動エリアだけでなく県外へと幅広く運動発信を行うことが求められます。今大会を主管することで、四国内各地青年会議所メンバーに私たちが住み暮らすまちの魅力を知っていただき、地域の活性化に繋がる絶好の機会だと考えています。これまで、様々な地区大会に参加させていただきましたが、大会をやり遂げた主管LOMのメンバーの表情は達成感に満ち溢れ、一人ひとりの成長が感じられる地区大会でした。坂出青年会議所メンバー各々が自分の役割を認識し行動することで、リーダーシップや責任感の向上、そして大きな大会を主管することにより自己啓発と自己成長に繋がると考えています。
本年、この四国地区大会坂出大会を通して、更にメンバー間に強固な絆を生み出し、今以上に坂出青年会議所を活気のある組織にしたいと考えています。また、この大会は私たちのものだけではありません。日頃より多大なるお力添えをいただいているシニアクラブ・特別会員の先輩諸氏のお力添えがあってこそできる大会だと思っています。先輩方との綿密な連携を取り、一丸となって四国地区大会に臨みます。また、地域の方々おいても青年会議所を知っていただく絶好の機会だと捉えています。坂出市は塩の産業、船舶と貿易の拠点として栄えていました。時代は移り変わり、現在の坂出市は、瀬戸大橋により四国と本州を結ぶ重要な拠点となり、工業都市としての発展、そして今も昔も変わらず海や山に囲まれ自然が美しく、歴史や文化を感じられる場所が数多くあります。地域の方々にも四国地区大会坂出大会にご参加いただくことで、まちの魅力を再認識し自分たちが住み暮らすまちに誇りを持っていただく機会を提供します。
地域の人々とともに創るまちの魅力を、多くの訪れた人々に届け、地域の発展、メンバーの成長に繋げていきましょう。
06坂出市民大学
について

本年で42回となる坂出市民大学は地域の人々の文化意識の高揚を図り、文化の香り高い「まちづくり」創生のための助力となることを目指し文化の香り高いまちづくり創生の為の助力となることを目的とした最も歴史のある継続事業です。過去と現在では時代背景も変化していく中で、例年の開催方法だけではなく、様々な開催方法を模索し、市民の皆様にとって価値のある事業にしなければなりません。本年度は、これまでの伝統を尊重しつつ、新たな視点や価値観を取り入れ、この地域に住み暮らす人々が自分のまちに誇りを持てるような、活気に満ちた坂出市民大学を開催します。
07新たな
にぎわいの創出

坂出青年会議所は、地域の皆様とともに歩んできた歴史の中で、さかいで塩まつりを長年にわたり主催してまいりました。
しかし、新型コロナウイルスの影響や、青年会議所メンバーの人員不足などの要因により、従来の形での開催が困難な状況となってしまいました。それでも私は、青年会議所は挑戦し続ける場所であり、私たちはこの困難を乗り越え、新たな形で地域に貢献するべきだと強く感じています。
本年は、坂出青年会議所の活動エリアの一つである宇多津町が主催するにぎわい事業、うたづ夏祭りが開催困難な状態になっていることをふまえ、坂出青年会議所として地域のにぎわいの灯を消してしまわないためにも立ち上がり、地域の他団体と連携しながら企画・運営を進め、うたづ夏祭りを開催します。
この取り組みは、地域の皆様とのつながりをさらに深め、新たな絆を築く機会となるでしょう。私たち青年会議所は、失敗を恐れずに挑戦し続ける精神を大切にしています。
人数が少なくても、地域を活性化するための努力を惜しまず、一歩一歩確実に前進していきます。地域に根ざした活動を通じて、皆様に愛され、長く親しまれる「にぎわい」の場を創出し、これからの未来に向けてメンバーや地域に対して、新たな価値を提供できる事業を創造します。
08地域とのつながり、
子どもたちの成長

本年、綾川町とのご縁をいただきわんぱく相撲香川県大会綾川場所を開催する運びとなりました。わんぱく相撲は、子どもたちに心身の成長を促すだけでなく、地域の文化や伝統を次世代に引き継ぐ重要な役割を果たします。
この事業を通じて、子どもたちは競技を楽しみながらも礼儀や協調性を学び、他者との絆を深めることができます。私たちは、こうした経験が彼らの将来に大きな影響を与えると信じています。
地域との協力は、私たちの活動の基盤であり、地域の方々とのつながりを強化することは、子どもたちが豊かな学びと成長の機会を得るために不可欠です。
わんぱく相撲のような行事を通じて、地域の方々と共に歩み、子どもたちの未来を支えていくことは、私たちの使命であり、誇りでもあります。このような機会を大切にし、今後も積極的に地域との連携を深めながら、子どもたちの未来が明るい豊かな社会になるよう支援してまいります。
09県境を越えた友情

1993年に一般社団法人児島青年会議所と姉妹LOMの締結を行い、これまで私たちは姉妹LOMとして長きにわたり友好関係を築き、地域をより良くするために互いに切磋琢磨してまいりました。しかし近年、例会や交流会の一体化が進む中で、かつてのような交流機会が減少し、互いの成長や貴重な学びの場が失われつつあります。
今こそ再び姉妹LOMとしての絆を強化し、地域を越えた連携を深める新たな取り組みが必要です。児島青年会議所との交流は、私たち坂出青年会議所のメンバー一人ひとりにとって、新しい視点や価値観を得る貴重な機会です。このような異なる視点を通じて築かれる友情は、地域の枠を超えた絆として、私たちの活動の基盤となるはずです。
本年度は、坂出・児島合同例会を通じて、児島青年会議所との連携を強化し、互いに切磋琢磨しながら友情をさらに深めてまいります。
この友情は、県境を越えた絆となり、私たちが住み暮らす地域に新たな価値をもたらすと確信しています。瀬戸大橋によって繋がれた姉妹LOMとして共に成長し、絆をさらに深め未来を築いてまいりましょう。
10資質向上事業
について

新型コロナウイルスの蔓延により事業数の低下が顕著となり、その影響でメンバーのモチベーションの低下が否めない状況です。
また、常任理事メンバーのアカデミー会員の指導不足や新入会員の増加に伴い、現在の組織内ではメンバーの約半数がJC運動や活動の理解度が十分でない状況です。このような課題を解決するために、私たちはアカデミー会員を含む全メンバーを対象に、改めてJC運動の本質的な理解を深める機会を提供し、組織全体の知識と意識を高めていくことが重要であると考えています。特に歴の長いメンバーに対しても、過去の経験を振り返りながら新たな視点を持つことで、自身の能力をさらに向上させ、アカデミーメンバーを的確に指導できるような意識を持っていただきます。
これにより、次年度の活動に向けて組織を牽引するリーダーシップを発揮できるメンバーを育成し、組織全体の成長を促進することを目指します。
11結びに

私たちは、10年後、20年後、またその先の将来を見据えて、「人」「まち」に自信と誇りを持ち、住みやすく活気に満ち溢れたまちの創造をしていかなければなりません。
このまちを次世代に引き継ぐためには、私たち一人ひとりが、自らの成長と地域の発展に貢献する覚悟を持つことが必要です。
この一年間、そしてその先も自分自身を信じ、歩み続けて下さい。そうすれば、自ずと明るい豊かな社会への道が切り拓けるはずです。私たちは、このまちの小さな灯火であり無限の可能性です。時には困難な道のりが待ち受けているかもしれませんが、私たちが気概を持って運動を展開していくことで、やがてその灯火は周囲にも伝播し、地域全体を照らす大きな光となり、自分自身の成長そして地域の発展へと繋がっていくことでしょう。
そして、今一度想起しよう。坂出青年会議所の矜持を。