- 第68代理事長
- 林 圭吾
01はじめに
1957年2月17日、偉大な先輩たちにより坂出青年会議所が設立されました。
社会の課題を解決すべく様々な運動を展開してきた先輩たちの高い志と熱い情熱は、時代が流れた今もなお色褪せることなく我々に連綿と受け継がれています。
激動の時代を乗り越えたそのバトンは次の世代へ、そしてまた次の世代へと引き継がれ、今まさに我々の手にあるバトンも次の未来へと引き継いでいかなければなりません。
2020年、新型コロナウイルス感染症が全世界で猛威を振るい、我々の日常にも大きな影響を及ぼしました。
多くの制限の中、全国各地でおこなわれる諸大会や会議が軒並みオンラインに移行し、場所や時間の概念がなくなり便利になった反面、これまでのひざを突き合わせての会議がなくなり、その場の雰囲気や、そこにいるからこそ感じる想いや情熱が相手に伝わりにくくなる等のデメリットも存在し、我々にとっても大きな転換期となりました。
そして昨年、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行され、これまでの当たり前が少しずつ戻ってまいりました。
目まぐるしく変化していく社会情勢の中で、これまで以上の活気ある地域を創っていくために、高い志と熱い情熱を持った我々が率先して地域を牽引していかなければなりません。
02熱意と情熱
私は、青年会議所に入会するまで何かを成し遂げたことや、人に自慢できる事がありませんでした。
人に流され、苦手なことからは逃げて、何となく毎日が過ぎていく、そんな日々を過ごしていました。
そんな中、地元の先輩に誘われて青年会議所に入会しました。
決して優秀ではない私が青年会議所に馴染むまでには少し時間がかかりました。
何となく活動していく中で真面目に、そして暑苦しく活動している先輩たちを正直苦手だと思ったこともありました。
しかし、共に活動していく中で先輩たちの暑苦しさは紛れもなく熱意と情熱なんだと感じるようになり、そこからは夢中で先輩たちのかっこいい背中を追いかけました。
気が付けば委員長という役職を任されるようになりました。
今まで苦手なことから逃げてきた自分にとっては毎日が本当に大変だったのを今でも覚えています。
苦しいながらに充実した日々が過ぎ去るのはあっという間でした。
40歳までという限られた時間の中で、何事にも限界まで挑戦していこうという思いで今日まで活動してきました。
こんな私が変われたのも、あの時暑苦しく感じた先輩たちが時には優しく、時には厳しく導いてくれたからだと確信しています。
青年会議所に入会する動機は人それぞれだと思いますが共通して言えるのは皆、何かを変えたいという想いがあると思います。
しかし、何かを変えるということは勇気と覚悟が必要です。
青年会議所には優しく導いてくれる人、強引に引っ張ってくれる人、共に汗を流してくれる人がいます。
そんな情熱あふれる仲間と共に、地域により良い変化を与えていきます。
03覚悟と信念
全国的に見ても少子高齢化や人口減少、後継者不足など様々な要因からメンバー数の 減少が大きな課題となっております。
我々坂出青年会議所も例外ではなく2015年の期首43名をピークに減少し続け、本年は期首20名を切るスタートとなりました。
このまま減少していけば青年会議所としての運動が制限されるだけでなく会としての存続も危ぶまれます。
青年会議所ではよく役職が人を育てると言います。
私自身、様々な役職に背伸びをしながら挑戦することで少しずつ成長できたと感じています。
しかし、メンバー数減少に伴い新たな役職に挑戦する機会が減少しているのも大きな問題だと考えています。
会員拡大について、2015年以降実施してこなかったわけではありませんがメンバー数は減少の一途をたどっています。
会員拡大において最も必要なことは覚悟と信念だと考えます。
例年、年当初に入会人数の目標を立てて様々な手法を用いて会員拡大に取り組みますが、本年は入会人数を意識するのではなく、いかに会員拡大に取り組む現役メンバーの数を増やすかに注力します。
担当者だけに任せるのではなくメンバー一人ひとりが主体性を持って会員拡大に取り組むことで、多くの出会いや経験が自分自身の成長にも繋がるからです。
会員拡大の担当者はだれですかと問われれば「私です。」と全メンバーが答えられる、そんな組織を目指します。
では、青年会議所に入会するとどんなメリットがあるのでしょう。
商売に繋げたい、人脈を増やしたい、自己成長したい、地域に貢献したい考え方は人それぞれだと思います。
結果だけを言えば全て手に入ります。
しかし、入会するだけではどれも手に入りません。
青年会議所は数多くの「機会」を与えてくれます。
その機会を自らの手で掴みに行って初めて成果が生まれます。
この一連の流れを理解してもらうのは大変難しいことだと感じます。
まずは、私たちが魅力ある事業を実施し、魅力ある組織にすること、その魅力を発信できる人財へと変わっていきましょう。
情熱をもって取り組めば必ず我々の活動に共感してくれるまだ見ぬ仲間に出会うことができます。
04青少年事業
いつの時代においても子供は地域の宝であり、未来への希望です。
純粋無垢な子供たちに様々な経験を通して健やかに成長してもらいたいのは誰もが願うことです。
現代の子供たちを取り巻く環境は日々変化しています。
少年期において体験したポジティブかつインパクトのある経験はその後の成長過程に大きく影響するといわれております。
本年の青少年事業では集団における役割の自覚や主体的な責任意識の育成を目指します。
インターネットやSNSの普及により情報収集が簡単な時代だからこそ五感全てを使い、学校や家庭では経験できない特別な体験を通して、実行力やチームワークを育みます。
また、私たち大人も青少年事業を実施するにあたり、子供たちの目にはどのように映るかをよく考え、子供たちの視点に立って行動することを徹底していきます。
本事業を通して、子供たちの自由な感性がより豊かになり、未来への希望が大きく広がる一助となる事業を構築していきます。
05他団体との交流
地域活力の低下が大きな社会問題となっています。
主な原因として、商店街の衰退や娯楽施設の減少などがあげられます。
私たちは本年、活力あるまちを目指して新たな賑わいを創出し、未来に向けたまちづくりに取り組みます。
普段から交流がある団体とより深い関係性を構築していくことがまちづくりには必要不可欠だと考えています。
名刺を交換するだけの関係ではお互いの長所を見出すのは困難です。
共に汗を流し、共に情熱をぶつけ合うことで強みを生かせる関係性を築きます。
新たなことに挑戦することはとても勇気がいります。
しかし我々が同じ方向を向き一蓮托生で取り組むことでより大きな力となり地域活力の向上へと繋げます。
一人ひとりの熱い情熱がやがて周りに伝播していくことで地域の人々が主体的に行動を起こす機運を高めます。
06坂出市民大学
昨年は40回目となる節目の年として坂出市民大学を盛大に開催できましたことを心より御礼申し上げます。
本年は41回目ということで新たなスタートだと考えています。
開催当初から変わらぬ文化意識の高揚を図り、文化の香り高いまちづくり創生のための助力となることを目的に、より具体的に今の時代に合った講師選定を行います。
開催当初から比べると時代背景も大きく変化している中で、あらゆる面で柔軟な対応が求められています。
今一度、開催場所や動員人数を見直し地域の人が求めるもの、若い世代が求めることをリサーチしながら事業を構築します。
そして、事業後の影響や効果が検証できる仕組みを考え次代へと繋がる坂出市民大学を開催いたします。
07価値観の習得
青年会議所に入会すると全国各地から会議、大会への案内がきます。
身近でいうと香川ブロック協議会などがあげられます。
香川ブロック協議会は県下6つの青年会議所から出向したメンバーにより構成された会議体です。
例年、出向したメンバーは新たな価値観習得と自己成長をして帰ってきます。
その他に四国地区、日本出向などがあります。
全国各地には今までの自分の価値観が大きく変わるほどの豪傑たちがいます。
そんな全国の同志たちと交流が持てるのが大会や会議になります。
多くの出会いが、自身の財産となり、自己成長の一助となることは間違いありません。
この素晴らしい機会を、メンバー一丸となって掴みに行きましょう。
08結びに
いつの時代も先駆者たちは情熱をもって行動しています。
地域の未来をより良いものにしていくには、誰にも負けない熱い情熱と様々な変化に対応していく勇気が必要になります。
私たちはまだ発展途中です。
失敗してもいい、笑われてもいい、あきらめなければ必ず未来は拓ける。
あなたの情熱は自分自身の原動力となり、やがて周りを巻き込み、地域により良い変化をもたらす未知なる可能性です。
情熱を燃やし、自分のため、地域のため、明るい未来のために歩みを進めていきましょう。